朝から暑い日に子供を野球へ送り出すとき、ふと不安に感じるのではないでしょうか?
熱中症のニュースがながれる時期には、外でスポーツをさせている親としてはたいへん緊張することと思います。筆者などは毎年の夏の高校野球がとても心配で、春はたのしく観戦できるのですが夏はとてもつらくなります。
小学校指針でもスポーツ少年団指針でも、気温が○○以上になると原則禁止!となっていても、現実はそのように守られてはいません。また【暑さ指数】WBGTを用いることが勧めれいても計算方法は一般には知られていません。
公式試合になれば、スケジュールが優先される傾向にあるので、暑いときは親子とも過酷です。
個人的に一刻もはやく過酷な環境でのスポーツの規制を強化してほしいと願っています。
筆者はスポーツ少年団育成員の資格をとるように言われたおかげで、当番のときも少しは慌てずに対応できるようにはなりましたが、それでも緊張する季節には変わりありません。
この記事では、酷暑から子供を守るための準備として、保護者が何を対策してするのがよいかを書いていますので、ぜひ参考にしてもらえればと思います。
親が前日から準備するもの
表面は凍っていても、中は水…ということがたまにあります。
- スポーツドリンクや麦茶を冷蔵
- スポーツドリンクや麦茶を冷凍
- 保冷剤を冷凍
- 冷凍庫の通常の氷を必要量を確保する
- アンダーシャツなど着替えを用意
- 最近はネッククーラーも利用されているので必要なら準備する
とくに土曜日の練習後には、日曜日に使用するので準備が慌ただしくなります。ドリンクは土日まとめて冷凍と冷蔵をしておいてもよいのですが、冷蔵庫の内容量によっては工夫しなければならないですね。
お当番用の氷も用意しなければならないので、夏は常時牛乳パックで作った氷が冷凍室を占領します。
子供に持たせるもの
暑い季節は子供が練習に向かう朝からとても気をつかう必要があります。グラウンドに到着した瞬間にのどが渇くほどです。たっぷりと水分が必要です。
日焼け防止に低学年なら日焼け止めを塗ってあげても良いでしょう。高学年なら自分で塗って出かけますので、小さな日焼け止めをカバンにいれておくと安心です。
- 2リットルくらいのスポーツドリンクや麦茶を入れた水筒
- お弁当やおにぎりを入れる保冷バックと保冷剤
- 凍らせたスポーツドリンクやそれのハンディパック(凍らすことができるもの)
- いつもより一枚多めのタオル
- 日焼け止め
- チームで用意していなければネッククーラーなども
- 2リットルくらいのスポーツドリンクや麦茶入りの水筒
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年齢にもよりますが、たとえば低学年が2リットルのスポーツ飲料を飲むのは「甘すぎて、口の中がベタベタ」すると訴えるケースもあり、麦茶とスポーツ飲料で1リットルずつの2本水筒持ちなら安心です。子供が好む量でOKです。年齢が上がってくると2リットル以上の水筒やジャグといわれる大型水筒に移行していきます。
- 保冷バッグと保冷剤
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子供を先にグラウンドに行かせて保護者がグラウンドでお弁当を子供に渡してもよいと思いますが、公式試合などで渡すことができないようなケースもあり、毎回子供に持たすことに決めておくほうがお互いに忘れるということが起こりにくいです。そのように徹底しているチームもあります。このメリットは子供がおにぎりなど忘れたときに親は持って走れます(笑)
保冷バックに保冷剤をいれてお弁当やおにぎりを持たせると食物がいたんだことはありませんので安心です。
- 前日から凍らせたスポーツドリンクや麦茶・ハンディパック
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凍らせたボトルがあると、子供たちは首元や頭にあてがって体温を下げるようにしています。これをするのが好きである子供と苦手な子供もいますが、炎天下で溶け始めた飲料はとてもおいしいらしく、持っていると暑さ対策に活躍します。
- いつもより一枚多めのタオル
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汗拭きにタオルは毎回持参していますが、これは休憩中にも頭から被って日差しを防ぐために使ったりもしている乾燥したタオルです。一方で濡らして汗を拭くのも、非常に体温を下げるのに効果的なので、夏は一枚多めのタオルかおしぼりがあれば助かるグッズの一つです。
- 日焼け止め
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出発前に家で塗ってくる子供は多いのですが、汗をかいたらこまめに塗りたい。暑いので塗りたがらない子供もいますが、高学年になると日焼けで痛くなるとわかるので、着替え時に持参した日焼け止めを自ら塗っています。最近は液体スプレーといった便利なものが売られているので、最適なグッズを利用したいところです。
子供たちの荷物を直射日光から防ぐ工夫をしてくれるのが当番さんです。
親が子供に気をつけること
次にあげた二つはとくに気をつけてほしい大事なことになります。
体調管理
- 発熱や頭痛はないか
- 前日から下痢症状はないか
- 睡眠不足ではないか
これらの症状があると、普段より暑さに耐えることができず、子供が倒れやすくなります。練習中にでも気分が悪いと子供から訴えられると、当番はすぐに体温を下げることに集中します。熱中症のガイドラインにしたがって体温を下げながら子供を見守ります。その間、保護者には連絡をとり、グラウンドまで来てもらうことになります。
危険と感じたら、ためらわず救急車を呼ぶことになりますが、幸い筆者はそこまでに至った経験はありません。事前に子供たちに【熱中症の初期症状】を何度も教えておくのもたいせつなことです。そして子供たちに「がまんしない」ことを徹底しておきましょう。
酷暑では毎回のように子供が具合悪くなります。当番は緊張の連続ですが、親の方もずっと心配で電話連絡の有無を気にしています。
子供にとって苦しいことですので、このようにならないように体調によっては無理をさせないように、保護者の方には、夏は特に気をつけていただきたいです。
過酷なはずのグラウンドに「今日は暑すぎる!」と感じた保護者たちがたくさん集まっていることが心強く、嬉しく感じることがありました。みなさん子供たちが心配なのです。当番でもないのに、こどもたちのフォローに回ってくれているのには、いまだに感謝しかありません。
それから普段から体調をくずさないように食事面と睡眠時間もサポートしてあげてください。
「疲れた→食欲なくす→暑さに耐えられない」のサイクルにならないように気をつけてあげたいですね。
準備物
冷蔵庫がいっぱいになるくらい凍らせるものが多くなってきますが、こればかりは子供の安全を優先していただき、日ごろから準備していただきたいです。
- 適量のスポーツドリンクや麦茶を冷蔵したり、冷凍する
- お弁当かおにぎりの準備
- アンダーシャツなどの着替え用にもう一枚準備しておく
- こどもが扱いやすいタオルを追加
- 日焼け止め
- 当番用に牛乳パック氷をつくっておく(一日では凍らないので常備しておく)
- ネッククーラーを必要ならば利用する
とくに夏は氷の確保が重要ですから、団員全員で氷の準備をお願いすることになります。どんどん溶けて足りなくなれば、店で氷を購入したりするケースもでてきます。
いつも大きい氷をつくっておくということ?
はい、「氷がある方はご協力ください」と一斉に連絡が入ることもありますから、みなさんに常備をお願いしています。
およそのチームでは、キレイに洗った牛乳パックに水をいれて凍らせた氷のかたまりを用意します。活動中にクーラーボックスに何本もいれて、スポーツ飲料を冷やし続けます。
最近のネッククーラーはとてもよいものだと筆者はうらやましく思います。便利に活用でき、親の負担になりにくい便利グッズです。高校野球では大きめのネッククーラーを利用しているのがよく映されていますね。
当番の準備と見守りと救護
夏のお当番は保護者も過酷ですが、運動している子供はもっと過酷です。
当日までに体調が少し心配な子供の保護者からは、かならず連絡を受けて指導者や当番全員と子供の情報を共有します。保護者から連絡を受けた役員から指導者らに伝達されるシステムもあれば、直接保護者から当番に伝えるケースもありますので、チーム内で共有することを徹底します。
準備
練習がはじまったら以下の準備をはじめます。書いてみると大変そうですが、当番2、3人でする場合はすぐできます。
- 日陰対策のテントを立てる
- クーラーボックスに氷のかたまり(牛乳パック)をいれ、スポーツドリンクを冷却し続ける
- ドリンクサーバーを使用している場合は、スポーツドリンクと氷柱を入れて冷やしておく。
- バケツなどに水と氷柱をいれ、休憩のタイミングでおしぼりを浸しておく(夏だけ使用)
- ネッククーラーを利用するなら冷やしておく
- もう一つのクーラーボックスには、ビニール袋などに入っている小さめの氷も保管する→氷のう用や飲料に使う
チームでは伝統の暑さ対策も引き継がれていることも多く、そちらにしたがって対策します。ただし毎年対策は更新していくことがたいせつです。保護者の負担も減らしましょう。
見守り
準備をサッとやってしまったら、次は落ち着いて子供たちを見守りに徹します。顔色や呼吸などもよく観察します。
救護
ケガだけではなく、体調に変化があった子供を指導者が当番のところに連れてくることがあります。
涼しい場所に移動し、アイスバックなどをつかって体温を下げ、水分が取れるようであれば様子をみます。準備していたうちわであおいだり当番はガイドラインに従って対応しますが、保護者にも連絡をします。かならずグラウンドに来てもらうようにしています。
軽いケガであっても必ず保護者に連絡をいれます。保護者と連絡すると子供も安心しますので、すぐに対応します。決して親である保護者が「練習の終わったあとに知った!」とならないよう気をつけましょう。
指導者が子供に気をつけること
チーム全員で共有しなければならないことを徹底します。そして子供に「がまんしない」ことを徹底させてください。
練習中は、10~20分おきに休憩をとることを徹底します。
その際に水分補給と子供たちの様子を観察します。
子供は大人の熱中症リスクと異なります。子供は大人の感覚以上に暑さをを感じるのは、地面に近いので照り返しの影響を受けやすいということは一般的にも周知されています。
筆者は気温28度以上になると練習を中止してほしいと考えていますが、この気温は「厳重警戒」とされています。気温30度を超えても現実は公式試合も練習もスケジュールにしたがって進んでいくので、なおさら指導者のリスク管理と保護者の見守りに頼るしかないのが現状です。また気温だけではなく湿度も関係するので、一概に「気温○○度」と決められません。
指導者は特に子供の近くにいるので、体調の変化に気を配って休憩を守る必要性を熟知しましょう。責任が重いと感じるでしょうけれど、一人で判断せずに大人全員で共有すれば大丈夫です。
【暑さ指数】WBGT
気温・湿度・輻射熱・気流の4要素を組み入れた指数
環境省から【熱中症予防情報サイト】がでており、時間ごとに全国の指数をだしている地図が記載されています。今日は暑いなと感じたら、一度検索してみてください。
ニュースでは、【熱中症警戒アラート】が発表されたり、ここのサイトからもわかりやすく表示されます。
まとめ
保護者の願いは子供たちの安全です。翌日も元気に活動するためには
- 保護者の日ごろの準備と見守り
- 指導者のリスク管理の徹底
これら二つの点が、とてもたいせつなことがおわかりいただけたと思います。
少人数の大人では、子供たちの安全が見過ごされてしまいます。保護者もご事情があってお忙しいと思いますが、せめて過酷な夏の活動のときだけは、ぜひ子供たちを見守っていただきたいと思います。
子供1人が体調に変化があれば、大人3人くらいで救護します。大人2人では心細いし忙しいと思います。
もし子供2人が具合悪くなれば、大人6人必要になります。もちろんその子供の保護者も来てもらうことになります。グラウンドに偶然いてもらえれば助かりますが、いつもそうとは限りません。
- 冷蔵・冷凍庫に麦茶やスポーツ飲料を準備
- 氷のかたまり(牛乳パック)を冷凍庫に常備
- 保冷剤やネッククーラー
- 子供が着替えたがる衣類の準備(アンダーシャツやソックスなど)
- 前日からお弁当などの食材や冷凍食品の準備
- 日焼け止め
上記は簡単にまとめていますが、野球生活に入って夏季がくると保護者が必ず準備してほしいものです。このほかにもチームで工夫して決められた準備物が出てくると思いますので、積極的に取り入れましょう。
当番によっては、子供たちにつかったおしぼりの洗濯も保護者の仕事に加わってきますが、(コーチの分も用意する場合もあり)人数分の洗濯は夏だけですので、この時期は頑張ってもらいたい準備となります。
このように夏の時期だけ、特に気をつけて準備と徹底すべき大切なことをあげました。きちんと準備と対応すれば大丈夫ですから、大人が力をあわせて酷暑を乗り切ってほしいと願うばかりです。
最後に保護者のみなさまも、体調管理をお忘れなくと祈ります。酷暑の活動、お疲れ様です。