少年野球に入団する前に、子供のメリットとデメリットはぜひ知っておきたいポイントです。
また保護者自身のメリットとデメリットも在団している人に質問するのは気後れします。
また伝える側も各個人でとらえ方が異なるために
「簡単だと聞いていたのにむずかしい」
「それほどデメリットには感じないよ」など説明する側の人によって違ってきます。
ここではメリットとデメリットを客観的に書いています。ご自身の感覚が異なることや、また慣れてくれば実に難しいことではなくなることもあるので、その点を踏まえてご参考になさってください。
子供のメリット
- 体力と筋力と集中力が強化
- 自発的に協力
- 学校のグラウンドでの活動のため、学校が楽しい場所となる
- 学年を超えて、交友が増える
- 楽しい行事が多い
授業の間の休み時間に使用するグラウンドは、制約がついてきます。みんなで使うためです。
しかし野球練習時間になると、大きなグラウンドがすべて自分たちのグラウンドです。これは子供たちにとって最高の遊び場となり、とても集中して練習することができるようになります。
周りに野球とちがう遊びをしている集団がいないと気が散ることがありません。集中して野球に没頭できます。
自分たちが使うグラウンドをとても大切にするようになり、練習後の整備もみんなで協力して終えることができるようになります。次回の練習のために、きれいに感謝をこめて片付けをします。
子供は何もしなくても成長するものですが、野球の素晴らしさは子供のチームワークの形成が早いことです。なぜなら試合も練習も一人ではできないことを経験するからです。みんなで野球するグラウンドを作ってから、協力しあって練習が始められます。親がつくるものではないからです。
グラウンドの広い規模でボールが使える喜びは、子供たちにとって計り知れません。最近は、地域の公園がボール禁止であることが増えてますので、貴重な時間を持つことができます。思いっきり学校グラウンドで走り回ってほしいですね。朝早めに登校して、授業開始までこの貴重な校庭でみんなと遊ぶことが習慣化する子供もいます。
野球練習時間外は、野球道具の使用を禁じています
学校内ですれ違った子供たちは、楽しく会話できる関係になっていきます。運動会でも、他学年の野球部を盛んに応援する姿も見られます。憧れのお兄さんたちが活躍しているのを大声で応援しています。
運動部同士の対抗リレーを行うこともあり、サッカー部バスケット部なども活躍して日ごろのチームワークを競います。他学年との交流が盛んになるのは、どのスポーツも同じですね。
子供たちにとって、行事は試合をするのと同じくらい大好きなイベントです。
合宿、クリスマス会、年始行事、退団式、運動会でのチーム対抗戦などの行事は、チームによって多い少ないはありますが、試合と違って、嬉しさで爆発している様子が見られます。
練習ばかりではなく息抜きになるので、心もリフレッシュするようです。
地域により、大きな祭りがある場合に野球部が参加をするケースもあります。
子供のデメリット
- 時間が少ない
- ケガのリスク
- 平日は再登校で忙しい
野球は一週間のうちの練習日が多い傾向にあります。
宿題やほかの興味あることへの時間が少なくなることはデメリットです。他のスポーツや趣味をする機会がないことは子供にとってよくありません。
宿題は練習終わりの帰宅後にすることが多くなります。初めのうちは、時間の配分ができないので苦労します。慣れてくると子供たちは効率よく宿題をすますことができるようになります。
筋力が成長途中なために、練習量を加減しないとケガをします。これは指導者の気配りが重要です。
低学年のうちは普通にグラウンドを走るだけでも転んでケガをします。学年があがるにつれて、ケガのリスクは減る傾向です。
高学年のケガのリスクはボールによる打撲です。だんだんと運動神経が発達するせいか、打撲も低学年にくらべて少なくなります。
学校のルールにより野球道具は教室に持ち込まないことになっています。教室にあると危ないからです。
大切な道具は自宅に置いておき、みんなで下校し帰宅してから、ユニフォームに着替えて道具を持って再登校します。
親にすれば「朝に野球道具を持っていけば」と言いたいところですが、安全上の理由により、学校規則で決められています。
チームの道具は学校の倉庫に保管してもらっているので、例えばヘルメットなどは倉庫に置いて帰ります。
このように平日は一度下校してから、再度練習着をきて登校するのがいそがしいデメリットがあります。
土曜日曜は自宅からユニフォームを着て練習へ行くので、その点はデメリットになりません。
親のメリット
- 子供の成長を見守り、支援することができる
- 保護者同士のコミュニティに加わり、友人や情報が盛んになる
- 新しい活動によって、心や知識など多方面から学ぶ機会を得る
- 親子の共通の話題と目標ができ、一緒に進んでいける
子供が屋外でどのような活動をするのかを親は楽しく見守ることができます。本当に家のなかでは、わからない成長面を見ることができるし、それはとても早く進んでいきます。親もますます応援したくなるものです。
子供は親が見守ってくれると、嬉しさと同時に手伝ってもらっているのがわかっているので、喜んで練習に集中します。これが親のやりがいとなり、親子の話も活発になります。
野球未経験の保護者にとっての入団は緊張します。しかし保護者となってしまえば積極的な交流をしてくれます。はじめはチームの皆さんになじめるかという不安があることは、ごく普通のことでチームで共有されています。
いろいろな活動をするなかで、かけがえのない友人ができたり、地域のなかでも楽しく過ごせるようになったりします。「子供のために野球に飛び込んでくれた親たち」は、ほかの子供も大切にしてくれて、困ったときは助け合える関係にもなります。
また学年を超えて知り合いができるので、学校生活の情報を得やすくなります。コミュニティにいることで、学校行事の情報や地域のことなどを教えてもらうことができ、事前に準備できるようになります。
地域のいろいろなことが学べるし、助け合いができるようになるので、地域に目が向くので視点が大きくなり、親も成長していける活動がたくさんあります。つまり自分たちだけのチームではなく、地域のなかのチームであることが理解できるようになります。
子供の様子は家のなかと外との違いがあることに気づき、成長が楽しみになります。
「今日のナイスプレーを見てくれた?」「バット振っても倒れなくなったよ」など、
どんどん成長を見せてくれる子供に、親は嬉しいかぎりです。
親が指導者や審判員をしたり、当番で救護する姿をみて、どれほど子供にとって親がまぶしく見えるか、喜んでいるかを感じています。親の側にとってもやりがいのある体験になります。
話題も共通になり、保護者も子供の話がよくわかるようになります。
親のデメリット
- 土日祝の試合は、お弁当が必要
- 当番の日はグラウンドにいなくてはいけない
- 父母会役員、試合時の配車、スコア記録員の仕事があるかも
- 道具代、ユニフォーム、月会費などの費用がかかる
平日の下校して帰宅後、野球の用意をします。練習前にお腹が空いていれば、軽食を食べてから再登校します。パンやおにぎりなどを用意してあげたいですね。
試合などがあるときは、必ず飲料やお弁当もしくはおにぎり作って持たせます。親も当番の日は、お弁当作りと出かける準備で結構バタバタと忙しいことになります。
こんな時は、コンビニやスーパーでお弁当を調達するのが効率的でよく利用されています。
当番制をなくしたチームもありますが、一度なくしても復活せざるを得ないことも多い様子です。理由は
- 地域により、大人の見守りを義務付けるところが多い
- 指導者だけに負担があり、不公平さがある
- 入団が増えるが学童保育の形態になり、子供の安全を図ることができない
- ケガや急病などに対応できない、指導者が救護にまわると練習はできない
負担が増えると、結局はその方も辞めてしまうという悪循環が生じます。
このような理由により、大人の見守りが大切になり、グラウンドの人数の確保が必要になります。
公平に子供の活動を見守る必要があります。
- 役員…およそ高学年の保護者が中心となります。行事や試合スケジュールを把握して子供たちを支援します。
- 配車…試合のときに、子供たちを安全に乗せることや道具運搬の仕事があります。
- スコア…野球経験者がしたり低学年から練習をするケースがあり、チームにより異なります。
これらの仕事は責任があり緊張します。心理的、体力的に消耗することがあります。
ほかのスポーツに比べると道具が多いために、費用はかかると思われます。チームによって、その金額の幅は大きいです。
しかし、低学年のうちは体も成長途中ですので、お兄さんたちのお譲りものを使うこともできます。
学年が上がるにつれて、少しずつ足していけば効率的に揃えることができます。
新しい道具を使わせたいと考えるご家庭は、チーム専用のスポーツ店などで購入するか、役員にお尋ねすれば安価で購入できるケースもありますよ。チームにも歓迎されるでしょう!
もしも親のデメリットを知った子供たちは気が引けてしまうかもしれませんね。しかし、まったく逆の思考をする親たちもいますので、このデメリットがメリットと考える保護者も実際にいます。
まとめ
子供のメリットとデメリットは、はっきりしています。
頭脳や体とこころの成長を育てるメリットと時間が少なくなるデメリットに大きく分かれます。
親のメリットとデメリットについては、ここでは外部からの声を参考に振り分けましたが、
「子供の野球練習が見たい!」
「グラウンドでお母さんたちとおしゃべりしたい」
「子供に仲間のみんなを乗せてほしいと言われた!楽しみらしい!」
というように、保護者によって感じ方が異なることがあります。
配車すると車が砂だらけになりますが、車内で子供たちの会話も楽しく聞こえてくるのも、親として何にも代えがたい喜びです。
メリットとデメリットの感じ方は、人によって捉え方が違ってきますし、時を重ねるごとにご自身のなかでも変わっていきます。面倒だと感じたことが楽しみに変わったり、その逆もあります。
ぜひ入団前には、この点を家族で充分に考慮して、決めていただければと思います。